遺言書のメリットやデメリット、自筆証書遺言・公正証書遺言、遺言の書き方の注意点、遺言書の執行方法を説明。

遺言の種類と書き方

秘密証書遺言(誰にも内容の知られない遺言)

公正証書のように遺言を公証人や証人の前で読み上げられたくない、 という人には秘密証書遺言という遺言方式があります。 遺言の内容は誰にも知られたくないが、実行を確実なものにしておきたい、というときのものです。 秘密証書遺言の手順は次のとおりです。

■遺言者が遺言証書に署名押印する

この場合、遺言者が自分で証書を作成しなければなりません。 自筆証書遺言とは異なり、ワープロやタイプライターで作成してもいいことになっています。 原本を公証人役場で保管するため、書き換えられるおそれがないからです。 ただし、署名だけは自署で行なってください。

■遺言者が証書を封筒に入れ、証書で用いた印鑑で封印する

誰にも見られることなく秘密証書遺言は封筒に入れ封印されます。 このときの封印はかならず証書で使ったものと同じ印鑑を使用してください。 ここまでが遺言者一人ですすめる作業です。

■遺言者が公証人1人と証人2人の前に封書を出して、自分の遺言書であることと氏名住所を申述する

遺言者は証人2人を連れて公証人役場へ向かいます。このときの証人の規定は公正証書遺言の場合と同じです。 公証人と証人の前で封筒の中身は確かに自分の遺言書だということを告げて、氏名住所を述べます。

■公証人がその提出日と遺言者の申述内容を封紙に記載し、遺言者、証人とともに署名押印する

遺言者、公証人、証人すべての署名押印が終わったら、秘密証書遺言の手続きは完了です。 このように遺言書は遺言者以外の誰の目にもふれることがないので、遺言の秘密性は守られるわけです。 ただし、封印された証書は遺言者一人で作成され、公証人による見直しもないので、 内容の不備があっても訂正されることがありません。
秘密証書遺言は手続きが終わったら自分で持ち帰って保管します。 遺言書の存在は確認されても、保管は公証人役場ではありません。 また、自筆証書遺言と同じく、相続時には家庭裁判所で検認を受ける必要があります。 何より秘密性を重視したい、というときはこの方式にしたがってください。


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