相続や贈与に関する整理がついたら、遺言書をかたちにしていきましょう。 ただし、遺言書を書き出す前にぜひとも心にとめていただきたいのは、 遺言書は財産の今後を左右するきわめて重要な書類だということです。 法的な拘束力を持つためにも厳しく決められた方式があります。
あやふやな情報は残された相続人をかえって混乱させるだけですし、 法的にかなわないことや矛盾した内容を書き記しても、その遺言は実行することができません。 何の知識も持たずに遺言書という文章を書くことができるかもしれませんが、 定められた方式に従わなければその遺言は無効になってしまいます。 財産分与を確実に実行するには民法に則った方式を知っておくことです。
一般的な遺言の方式には次の三つがあります。
(1)自筆証書遺言
(2)公正証書遺言
(3)秘密証書遺言
このほかにも特別な事情(危篤状態、船などが遭難した、伝染病などで隔離されているなど)がある場合の遺言方式もありますが、 遺言者が健在である場合にはこの三つの方式のいずれかを選んで作成するようにします。