ここでは、野球評論家や解説者が日本シリーズをどのように予想していたかを紹介します。 日本シリーズの対戦チームは西武でした。どの評論家も西武優位と考えていました。
■藤井 栄治(西武4勝2敗)
こんどのシリーズは、阪神打線対西部投手陣の力くらべになる。私の見たところ、西武や有利に戦いそうな気がする。
それというのも、阪神打線はペナントレース終盤で調子を崩して、東尾と似たタイプの広島・北別府に抑え込まれており、
西武投手陣を打ち込むのは簡単にはいきそうにない。その西武が事前調査も十分で、この点でも優位に立っている。
■板東 英二(西武4勝2敗)
日本シリーズのような短期決戦は、チームの安定している方が勝つものだ。
ことし阪神は、爆発的な攻撃力で勝ち進んできた。
ところが、よくいわれるように打線は水もの。いつもいつも打ち勝てるという保証はない。
一方の西武は投打のバランスがうまくとれている。
終盤、休養していた東尾あたりの大活躍が見込まれるし、西武に分ありの日本シリーズですね。
■武上 四郎(西武4勝2敗)
短期決戦では、長いペナントレースと違って、打線はあてにならず、投手がいい方が有利だ。
両チームを比べた場合、打は阪神、投は西武で、
その西武の投手力は東尾に加え若手の渡辺、工藤…いまや球界ナンバーワンの陣容を誇っている。
この強力投手陣を、バース、掛布、岡田の阪神クリーンアップがシーズン中のように果たして打てるか。
西武に故障などのアクシデントがない限り、阪神のVは厳しい。
■江本 孟紀(西武4勝1敗)
阪神は21年ぶりの優勝に文字通り酔いしれ、
実力を出し切れないうちにシリーズが終わってしまう公算が大きい。
私は南海に在籍していた48年、巨人と戦ったが、シーズンの余勢をかって第1戦に私が投げて完投勝ち。
以降、4連敗したニガい経験がある。
ことしの阪神もこれと同じ傾向にあると思う。長丁場を戦えば、もちろん結果は変わるが…。