2004年の阪神タイガースを率いる岡田新監督(当時は選手会長)のコメントです。 次の手記は新聞に掲載されていたのですが、岡田監督ってこんなに大阪弁丸出しでしたっけ?(笑)
でもクールというか冷静沈着な感じはあらわれています。
とうとう日本一になってしもた。ほんまやったら、”やったァ!どや、見たか!”と叫ばなあかんのやけど、 なんでか、気持ちがさめてる。
こんなこと書いたら、きっとファンにぜいたくいうなって、怒られるやろなあ。けど、これがボクの正直な気持ち。 いや、みんなそう思てるんとちゃうかな。
あれは、日本シリーズの第一戦に勝ったときやった。宿舎で夕飯を食べてるとき、 誰かが”西武ってかわいそうなチームやな”というた。 その瞬間、なんとなくその場がシーンとしてしもた。
それは、口には誰も出せへんかったけど、みんなが感じたことやったんや。
なんで西武は、あんなに苦しそうに野球やってんやろ。自分の意思で選んだ道やったら、 もっとのびのびと楽しくやればええのに。 小さく見えるなあ。
ちょっとえらそうなことをいうけど、ボクはプロ野球ちゅうのは、勝てばええ、 強ければそれでええではあかんと思う。 ボクが小さい頃、プロ野球選手にあこがれたように、プロは夢をみんなに与えなあかんと思うんや。
西武いはそれがあれへん。いや、そうさせてもらわれへんチームなんや。 そう思たら、なんとなく勝ってもうれしくないし、寂しい気持ちになって…。 来年こそはほんまの西武と日本一を賭けてやりたい。 いまの正直な気持ち。
けど、まあ、ようウチが日本一になったで。これは胸を張れる。 ここ数年、野球界は”おたふく飴”みたいに、どこのチームも投手、投手と同じ顔になりかけていた。 そんな中で、ウチが勝ったいうのは、こりゃあ、すごいで。まさに革命的出来事か。
負けるときにはボロボロやけど、勝つときは信じられんゲームでも勝つ。 見てる方もおもしろかったやろけど、やってる方はもっとおもしろい。
ウソやと思う人はぜひ阪神へ入団して下さい。 そのかわり、滅茶滅茶練習せなあかんで。苦なければ栄光なしや。
さあ、あとは契約更新かあ。楽しみやなあ。 こうなったら日本一の勢いで猛打爆発、全員一丸、全力を尽くして挑戦や!