相続の開始時期、法定相続人と財産範囲、遺言と遺留分、遺産分割協議や相続放棄の遺産相続の法律を説明。

遺産相続の法律知識

相続財産

■相続の対象となる財産とは

相続される財産とはどのようなものがあるでしょうか。 財産の整理はたとえば遺言を書くときなどに必要となりますから、リストにしてまとめておきましょう。 また、整理することで、どうしても分割したくないものや相続を指定したい財産が出てくるかもしれません。 法的な遺言書を残していない場合であっても、遺族にとっては遺産分割協議の際、拠りどころになります。

(1)土地や家屋などの不動産
土地…宅地や農地、山林など。駐車場、テニスコートなども含みます。
家屋…居宅、店舗、事務所などの建物。それにまつわる門、庭園や水道・ガスなどの設備も含みます。建築中のものでも対象になります。
不動産上の権利…借地権、借家権、抵当権、永小作権などです。

これらは不動産登記簿に基づいて、所在地、面積、担保設定の有無、使用状況などによって財産の評価が違ってきます。

(2)現・預貯金
いうまでもなく、銀行や郵便局に預けている預貯金、あるいは所有していた現金などです。 この場合、名義が被相続人でなくても実質的に被相続人本人のものであれば財産として扱われます。

(3)有価証券
株券や公社債、国債、投資信託などです。約束手形や小切手なども含まれます。

(4)債権
家賃などの賃権、売掛金などです。

(5)無体財産権
著作権、特許権、商標権などです。

(6)生命保険など各種保険類
生命保険、年金保険、損害保険などの各種保険類です。加入者、支払者、受取人を確認しておきましょう。 被相続人以外の人が受取人である場合、相続財産にはなりませんが、死亡保険金は受取人が相続人のとき、みなし相続財産となります。

(7)ゴルフ会員権
(8)自動車、宝石、美術品などの動産

これらの動産以外にもペットや家具、事業で使っていた什器や農具などの器具備品なども含まれます。 未使用の原材料、商品、あるいは電話加入権なども。それぞれの時価を把握しておきたいものです。 物品の場合、品名、取得の時期、金額なども明記しておきましょう。

(9)債務
いわゆる借金のことです。 個人的な借入金のほか、住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードや医療費、事業における未払い金、 被相続人が納めていなかった国税や地方税も含みます。これらの債務はマイナスの財産として相続されます。 また、被相続人が認知していなくても、相続が始まる前に発生した保証人契約による保証債務も負債相続の対象となります。 死亡後に保証人契約による保証債務が発生した場合は、無効となり、相続の債務にはあたりません。


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