相続人は自分の遺留分を割り出すために、相続財産の全容を知っておかなければなりません。 ここで注意しておきたいのは、相続財産とは被相続人が死亡した時点で所有していた財産のことだけを指すのではない、 という点です。 遺留分を算定するために必要な相続財産とは、相続開始時に有していた財産に生前に贈与した額を加えて、 そこから債務を差し引いたものになります。加算しなければならない財産は次のようなものです。
■相続開始より1年以内に行なわれた贈与
被相続人が亡くなる1年以内に贈与されたものは相続財産として加算されます。
■遺留分権利者の侵害を知って行われた贈与
1年以内に限らず、被相続人が遺留分の侵害を知って行われた贈与は加算の対象となります。
また、見た目は贈与というかたちでなくても、不当な対価でなされた有償行為も、
遺留分の侵害を知って行われれば相続財産に算入されます。
持っていた土地を不当に安く売却するといった行為です。
■条件付の権利や存続期間の不確定な権利
「条件付の権利」とは印税や商標権といった権利のことです。
また、年金など生きていれば支払われるといった権利を「存続期間の不確定な権利」といいます。
これらは家庭裁判所が選任した鑑定人の評価によって価格が決められます。
(AA)遺産相続の手続きと節税法がわかる本―葬儀の手配から財産の計算法、分割協議、申告のやり方まで |
(AA)かしこい遺産相続―遺産の分け方・もらい方から税金対策まで |
(AA)よくわかる遺産相続と諸手続き |