カメラ付き携帯電話で雑誌を撮影するデジタル万引きの防止。本屋や書店の万引被害、防止対策、インタビューを紹介。

デジタル万引きの防止対策

技術動向(参考)

デジタル万引防止 雑誌情報「パチリ」→画像つぶす技術開発

雑誌や情報誌を立ち読みし、欲しい情報だけをカメラ付きの携帯電話で撮影し、 本を買わずに帰る「デジタル万引」が問題となっているが、 「NTTサイバーソリューション研究所」(神奈川県横須賀市)が携帯のカメラで本のページを撮影できないようにする技術を開発した。 日本雑誌協会は「対策として十分検討に値する」としており、研究所側は今後、この技術を導入した際の印刷コストが抑えられるよう、 実用化を目指した研究をさらに進める。

「デジタル万引」追放のため、利用客へ「マナー」を呼びかけるポスターが張られた都内の書店。 新技術は“万引”防止の切り札となるか

研究所によると、90年代後半に国内でも普及し始めた「電子透かし」技術を応用しており、 はがせない透明なバーコードのような信号を印刷物に埋め込む仕組み。撮影したカメラ付き携帯は画像と一緒に信号も読み込み、 その指示に従って画像を黒く塗りつぶすなどして情報を利用できないようにする。

駅などのポスターやパンフレットを携帯で撮影したさい、埋め込まれている信号からホームページのアドレスも読み込み、 携帯で手軽に関連情報へリンクさせるシステム 「サイバースカッシュ」とよばれる技術を、 今度は情報保護のために応用したという。

気になるコストについて、研究所側は「これから実用化へ向けて具体的な検討を始めるので、現段階では未知数」としながらも、 「商品として提供できるころには、できるだけ低コストにして、普及しやすくしたい」としている。

日本雑誌協会は「コストの問題はあるが、条件さえ合えば、対策の選択肢としては魅力的。十分検討に値する」と時間をかけ、 導入が可能かを含めて検討する。

一方、書店側は「現在はデジタル万引を見つけるたびに注意を促すしか方法がない。 最終的には、お客さまのマナーにかかっている」(都内のある書店)と防衛策の手詰まり感を訴えており、 早期の実用化を期待している。

(7月24日東京朝刊より引用)


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