戦後、我が国の離婚率は長期にわたって低く推移していましたが、近年は急激に上昇してきています。 件数でみると、2000年には26万件を超えています。(データ3参照)
■データ3:離婚件数の推移
他の先進諸国における離婚率と比較すると、日本は依然として比較的低いものの、他の国々が近年あまり大きな変化がない中で、 その上昇幅の大きさが目立っています。
離婚率を同一時期に生まれた人の集団別にみると、2000年時点で40歳未満の集団で顕著に離婚率が上昇しており、 また、特に10代、20代の若年期で離婚率が高くなっています。(データ4参照)
■データ4:世代別の離婚率
さらに、離婚件数を婚姻期間別にみると、特に婚姻期間が長い夫婦の離婚が大きく増えてきており、 「熟年離婚」というキーワードがデータとしても裏付けされています。(データ5参照)
■データ5:婚姻期間別の離婚
ここで興味深いのは、なんと言っても熟年離婚だと思います。
先ほどの結婚した理由の上位に、子供ができたから、というようないわゆる、「できちゃった結婚」は10代に多く、 また、10代は、社会的に大人になりきっていないうちに結婚しているため、 現実を直視すると離婚してしまうこともあるのは容易に推測できます。
しかし、長年、苦楽をともにしてきた熟年カップルが離婚するというのは、 それだけ価値観が多様化してきたという現れだと思います。