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名前探偵団

名前の誕生

名前がどのようないきさつで作られたかについては、正確には解明されていません。 名前はあくまでも私的な名のりであって、古代以来の姓が正式の呼称とされていました。 ところが、一部の人々が勝手に私称した名前が、 次第に広まり世襲されるようになっていったと一般的には考えられています。

江戸時代になると、全国でほぼ同質の法律や身分制が行われますが、 中世では小領主の所領ごとに思い思いの支配がされていました。 江戸時代の武士と農民、町民の区別が明確ですが、鎌倉時代、室町時代にあっては、 武士身分と庶民との境界が明確ではありません。 ある領主のもとでは、武士身分とされた上流農民と同程度の土地をもつ農民が、他の領主からは庶民として扱われます。 こういったことに誰も疑いもたなかったのです。 そして、この情況に対応する形で戦国動乱の直前には、 農民の大部分が名前を持つ村落と、領主の一族だけが名前を用いる村落とが併存しました。

鎌倉時代の末には、公家や非公家人である武士も名前を用いるようになりました。 そして、一部の郎党も名前を与えられました。 ただし、南北朝の動乱の前にあっては、名前は武士身分が用いる所領に対する支配権をあらわすものだとする原則がありました。 ところが、足利一門などの南北朝の動乱で移動して成長した武士は、 新しい領地の地名を名前にせず、もとの名前をそのまま用いました。 さらに室町幕府は地方政治を守護大名に一任し、個別の小領主を御家人として直接把握しませんでした。 これにより、名前を介した個々の武士に対する支配が崩れ、名前が無秩序に広まっていく道が開けたのでした。


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