1)内容をはっきり残しておく目的
ある内容を相手に通知した証拠を残しておくことは、内容が証明され、配達も証明される内容証明では、用意に狙えるところであり、
その目的で使うことが一般的です。
2)相手に届いたことをはっきりさせる目的
法律上の意思表示の中には、相手に届かないと効力を生じないものもあります。
したがって、ある通知が相手に届いたことを証明する必要があるわけですが、その狙いは内容証明によって充足することができます。
3)心理的な効果を狙う目的
普通の交渉や要求では、おいそれと応じない相手に、それなら内容証明を出してやろう、と考える場合があります。
これは心理的な効果を狙っているわけです。例えばしつこいストーカーに悩まされている女性が、内容証明できつい口調で言ったら、
電話攻撃もピタリと止んだという例もあります。
4)こちらが本気であることをわからせる目的
心理的な効果を狙うとも関連しますが、こちらの真剣さをわからせるためにも内容証明は活用できます。
真剣さやこの先、どんな裁判の手段をとる覚悟もあることなどを本当にわからせるためには、面と向かって怒鳴るより、
内容証明の方が効果的な場合もあります。
5)相手の出方や考え方を見極める目的
内容証明により相手は不安になり、反論せずにいられなくなることも多くあります。
つまり、反論させることによって、相手の出方や考え方を探り出そうという狙いです。
6)証拠を残す目的
証拠がないため、裁判などで訴えにくい場合に、証拠を残す狙いで内容証明を出すという方法があります。
例えば金銭について借用書も何もとっていない場合などに、30万円の債権なのに、わざと50万円として請求したりします。
相手が30万円だと反論してくれば、30万貸した事実についてこの上ない証拠となります。
7)法的な手続きを履行する目的
法律や契約などで必要とされている手続きを履行する狙いで内容証明を出す場合もあります。
例えば、売買契約で、品物についてある期間に検収して不良品のある場合は通知を要する特約になっていれば、
内容証明は最も適切な手段といえます。
8)事実を明らかにしておく目的
たとえ一定の事実があっても、そのまま放っておけば、将来その事実は不明になってしまします。
しかし、それを文章にして相手に示しておけば、相手が反論しない事実とあいまって、
記されている内容は真実であるという間接的な証拠となりえます。
内容証明郵便は、効果的に活用すれば、威力は絶大ですが、熟慮した上で実施しないと、逆に差出人に損害がこうむることもあります。 そのためには、5W1Hを明確にして、いくつかの相手方のパターンをシミュレーションしておくことが大切です。