悪質な迷惑電話を防止するために、NTT東西会社への提言を述べてみたいと思います。提言内容は次の2点です。
(1)ナンバーディスプレイの基本機能に発信者のエリア情報を付加
現在、ナンバーディスプレイのサービスでは、発信者側が通知拒否にしていると、着信側には電話番号が表示されません。 このことは広くプライバシーを守るという意味で当然のことであると思います。 そのことを十分理解した上で上記の提言をしております。
ナンバーディスプレイのサービスが登場した背景を、みなさんご存知でしょうか?
電話をかけるという行為は、これまで発信者サイドに有利なものでした。 そして着信側にも選択する自由があるべきだ(=発信者側と着信者側を公平に扱う)という社会的な要求から生まれたサービスなのです。
もちろん発信者側が望んでいない場合に、発信者側の番号を開示するとプライバシーの問題が生じますので、 現在のようなサービス機能になっています。
ここで考えていただきたいことは、プライバシーとは、相手を特定できる情報のことであるはずです。 このように考えれば、発信側の最寄の交換局の情報を着信側が受け取ることは、 サービスが登場した理念からもプライバシー遵守の理念からも合致するものであると思います。
この発信者のエリア情報を付加するというのは、交換機ソフトの変更で可能なはずですので、 それほどNTT東西会社には負担にならずに実施できることだと考えています。
もちろん、発信者側のエリア情報を付加することが、直ぐ悪質な迷惑電話を防止することにはつながらないかも知れませんが、 相手を特定することに少なからず役立つものと思います。
着信側の自由を向上させるという観点と、その他の電話を使った犯罪を防止するという観点からもぜひ実現してほしいサービスです。
(2)迷惑電話おことわりサービスのネットワーク標準機能化
悪質なものにしろ、1回限りのいたずら電話にしろ、誰もが迷惑電話を経験したことがあると思います。 それほど、迷惑電話の被害は一般的なものとなっています。
このように考えると、迷惑電話おことわりサービスの機能を標準のネットワーク機能にもたせるべきだと考えています。
諸外国と比較しても、これだけ電話回線の月額使用料金が高い国はありません。 この月額使用料金は、値下げされるどころか、値上げをされたこともありました。
一方、この月額使用料金の範囲内で利用できることとしては、10年前と比べても同じで、 ただ単に「電話できる」ということだけです。
諸外国と比べると、日本の場合、市内も含めて電話をする通話時間数は極端に低い(1/5程度)のです。 このことからもわかるように、いかに日本の電話が、ただ単に通話するだけのものであるかをあらわしていると思います。
本来なら付加サービスなどは工事料金のみでいいはずです。NTTはいろいろなサービスを提供し、 利用促進を図る中で電話のトラフィックを向上させていくようにすべきだと考えています。
そのような思いもあり、最低限、迷惑電話おことわりサービスはネットワークの標準機能、 無理であれば工事料金のみでお客さまにサービスを提供してほしいものと考えています。