昭和35年に不動産登記法が改正されるまでは、旧土地台帳法が存在し、 登記制度とは別に、不動産の事実状態を把握することを目的とした土地台帳制度がありました。
そこでは、土地の区画および地番を明らかにするための地図を備えるべきものとされていました。
この地図が公図といわれるものです。
しかし、公図は測量技術が未熟であった時代に、しかも、 ほとんど素人が担当して1筆ずつ測量しながら区域を確定し作成されたものですので、 その精度には問題があり、とりわけ山林や原野については、見取り図的なものが多いといわれています。
したがって、公図の多くは、不動産登記法17条の土地及び地番を明確にする地図に準ずる図面として位置づけられています。
公図の証明力という観点では、公図は未熟な測量技術などにより正確性を欠くものの、 実務においては、境界確定の証拠して多く利用されています。 (事実上の証明力を示しているだけなので、反証で覆すことは可能)
もしも公図の土地の位置が現物と異なる場合や、公図に該当する土地の記載がないなどの場合は、 所有者その他の利害関係人は、土地所在図、地積測量図を添付のうえ、その訂正の申し出をすることができます。
それを受けて登記官は、実地に調査し、公図に誤りがあれば、職権で訂正します。
上記のように、公図は測量技術が未熟であった時代に作成されたものですので、 実際の土地を正確に表していないことが多くあります。
実は土地境界の紛争も公図のこのような理由により起こりやすくなっているのです。
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