境界には、地番と地番との境目をいう公法上の境界と、所有権の範囲の境目をいう私法上の境界があることは、 境界の意味で述べたとおりです。
境界確定の訴えは、こうのうち公法上の境界を確定させる訴訟で、境界を最終的に定めるのは裁判所です。
通説判例では、相隣接する土地の所有者だけが境界確定の訴えの当事者適格、 つまり、その訴訟の正当な当事者としての資格を有するものとしています。
これは、「境界に接する両土地の所有者が、その境界にもっとも密接かつ強い利害関係を有するものと推定されるので、 両土地の所有者に当事者適格を与えるのが適当である」と説明されています。
この「相隣接する土地の所有者」とは、境界に接する具体的な土地の実質的所有者と解されています。
よって、隣人との境界トラブルにおいて裁判などを考えておられる方は、 誰がこの事案での当事者なのかについても十分理解し、注意しておく必要があります。
なお、もちろんのことですが、境界訴訟の正当な当事者としての資格を有していないと判断されれば、 不適法なものとしてその訴えは却下されることになります。
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