隣地境界線の土地境界トラブルの防止。近隣住民や隣人との日照、眺望トラブル、騒音、悪臭問題についても説明。

隣人との土地境界トラブルの予防

日照・眺望トラブル

ここでは隣地隣家との間で、土地境界以外で起こりがちなトラブルについて説明しておきます。想定される事例を紹介し、その事例に対する対策という形で整理しておきます。

■隣に病院が建設されるが日照権を主張できるか

日照権が侵害されているかどうかは、日照妨害の程度が社会生活上受任しうる程度の不利益かどうかで決まります。しかし受忍限度内かどうかについての判断要素は、一義的ではなく、被害の程度、地域性、加害回避の可能性、被害回避の可能性、交渉の経過などを総合的に判断していくことになります。

事例のように病院の施設の充実は地域医療の観点からも公共的必要性が高いということができます。よって、営利目的の分譲マンションなどと比較して、日照被害を受忍しなければならない度合いが強いことを覚えておいて下さい。

■家の前にマンションが立ち、海が見えなくなってしまう

眺望は他人の所有する土地の植えに妨害物がないという偶然の事情によって得られるものです。これは、日照の問題にも同じことが言えます。

しかし、日照が生活上必要不可欠なものであるのに対して、眺望は精神的なものであり、必要不可欠とまで言うことができないため、日照権と比べて眺望権というものが一般に認められるにはなっていません。

もちろん、眺望利益が法的保護をまったく受けないというわけではないのですが、一般住宅の場合はまず認められないと考えておいた方いいほど厳しいものとなっています。