NTT顧客情報「革マル派」に/警視庁、社員2人を窃盗容疑で逮捕
NTTドコモNTTの顧客データが盗み出され、過激派の革マル派に流れていたことが分かり、
警視庁公安部は、ドコモ社員の山本武(39)とNTT東日本社員、五十嵐栄(42)の2容疑者を窃盗容疑で逮捕、勤務先や自宅などを家宅捜索した。
同派が基幹産業に入り込んで活動していた実態が初めて明らかになった。 NTTでは顧客情報漏えいが相次ぎ、社員のモラル管理も含めた抜本的対策に乗り出したばかり。 個人のプライバシーを扱う巨大な情報企業の改まらないずさんな実態に、厳しい非難が集中しそうだ。
調べでは、山本容疑者は同派非公然活動家ら数人と共謀し、1997年12月下旬、 東京都中央区晴海のドコモのオペレーションサービスセンターで端末を操作し、 携帯電話の使用者の住所などの顧客データを盗んだ疑い。五十嵐容疑者は、数名と共謀し、同じころ、 目黒区中町のNTT東京南支店で端末を操作して加入顧客データを盗んだ疑い。
盗み出した資料は対立する過激派の団体やJRとその労働組合幹部十数人分に関する記録だった。 公安部は、同派が電話の持ち主や連絡先を探っていたとみている。両容疑者は国鉄の民営化の際の88年4月にNTTに転職。 自宅などから同派に関連する本などが出てきたことから非公然活動家だった疑いがある。
ドコモの広報室では「お客さまのデ―タ漏えいに関して、当社の社員が逮捕されたことは遺憾に思う。 詳細については捜査中なので差し控えたい」と話した。NTT東日本総務部は「お客様の情報管理の徹底を図り、 信頼の回復に努めたい」としている。