夫妻の夫婦の不倫問題、離婚や不倫相手への慰謝料請求、愛人の子供認知など不倫や浮気にの法律問題を紹介。

不倫の法律問題

マンガでわかる離婚知識から手続きまで 離婚届・親権・慰謝料・養育費・姓・調停離婚・離婚訴訟・公的扶助
(AA)マンガでわかる離婚知識から手続きまで 離婚届・親権・慰謝料・養育費・姓・調停離婚・離婚訴訟・公的扶助

不倫相手だった人への慰謝料請求

配偶者の不倫相手に対する慰謝料請求のほか、最近意外と多いのが、 不倫関係にあった当事者間での慰謝料請求についての相談である。
ひとつめのケースは、「妻とは別れ、必ず君と結婚する。」という言葉を信じ、 妻子ある男性とズルズルと関係を続けてきた女性側の相談。 しかし離婚話はいっこうに進まず、挙句の果てにあるとき突然、別れ話を切り出された。 婚期も逃し、中絶までしたからには許せない、慰謝料を請求したい、というものだ。
もうひとつは、妻子ある男性が、長年の職場不倫の相手と再婚するために、妻の言い値で慰謝料・財産分与を捻出し、 離婚が成立したとたんに恋人に捨てられたというケース。不倫相手のためになにもかも捨てたのに許せない、という訴え。
結論からいうと、いずれもケースも慰謝料請求は必ずしも不可能ではない。 ただし、それはかなり例外的なことで、裁判での立証も困難である。

■女性から既婚男性への訴え
不倫関係が始まった経緯・態様・年齢差・その他一切の事情を考慮して、 男性が女性の判断を誤らせるような積極的な言動をとったと認められる場合は、 その言葉によって女性が自己の貞操についての判断において錯誤に陥り、性的自由を奪われたと評価され、 損害賠償請求は認められる。
最高裁判所は昭和44年9月26日の判決で、在日米軍経理課に事務員として勤務していた日本人女性が、 元不倫相手の米国籍を有する既婚者の上司に対して起こした損害賠償請求について、慰謝料を認めている。 男性が女性に「妻とは離婚状態であり、必ず結婚する。」と偽って長期間性的関係を結び子供まで生ませたことは、 年齢差や生活状況に照らして、女性の貞操についての判断を誤らせた責任が男性にあると判断されたのである。
この判決では、女性が不倫関係の始まった当時19歳で、異性との交際経験がなかった事情が重視された。 いいかえると、ある程度の分別ある男女が不倫の関係になった場合には、慰謝料請求が認められる可能性は低い。
また、不倫と知って関係を続けているような状態が長い場合には、いくら「離婚後は君と再婚したい。」と言っていたとしても、 そのような言葉は話半分に聞くのが理性的である。 そのような約束を信じたことに過失があるのではないかと、慰謝料を大幅に減額される可能性もある。

■重婚的内縁関係の破棄
不倫関係が重婚的内縁関係に発展している場合、それが不当に破棄されたときは慰謝料請求ができる可能性がある。
同居している間に夫婦同様の信頼関係が成立していたと考えられる重婚的内縁関係では、正当な理由なく別れる場合には、 離婚に準じた慰謝料や財産分与が必要となるのだ。
どのような場合に「不当破棄」といえるかについては個別に検討することが必要であるが、 離婚において慰謝料が認められるような事情(浮気・異常性格など)は、内縁においても不当破棄として評価されるだろう。
姑や親戚などの第三者が干渉して重婚的内縁関係を解消させた場合に、その第三者に対して慰謝料請求が認められることもある、 というのも一般に内縁関係の破棄においても第三者の干渉の態様や動機が社会通念上不相当な場合には、こうした請求が認められている。 (最高裁昭和38年2月1日判決)重婚的内縁関係にもこの理屈が当てはまるだろう。

■独身だとだまされた、中絶させられた
「既婚者とは知らなかった。」「独身と偽っていた。」というケースもあるだろう。
配偶者がいると知らなかった期間がどれほど長いのか、相手がどのような方法で既婚者であることを隠し続けたのかなどの事情にもよる。 しかし、最初に肉体関係を結んだのは独身であると確認したからで、既婚者だと知っていれば決してセックスしなかったという場合には、 貞操についての判断を誤らせた責任が相手にあるとして、慰謝料請求が認められる場合がある。
女性が中絶している場合はどうか?
不倫関係に至る経緯においてどちらが積極的だったのか、性交渉の際、避妊について話し合っていたのかどうか、 離婚して再婚する見込みについて事実が告げられていたのかどうか、総合的に判断することになる。
その上で不当だと思えば裁判に訴えればいい。弁護士費用・裁判での立証活動という障壁があるので、 現実に慰謝料を手にするには困難を伴うが、 それを承知で裁判を起こし、さまざまな証拠を突きつけていく過程で、和解の形で金銭的解決が得られる可能性もある。
浮気相手と思って軽くあしらっていた愛人たちも、最近は権利意識が高まっている。

■不倫に殉じた男
不倫相手との再婚のためにすべてを捨てた男性が女性に捨てられたケースでは、男性が離婚に踏み切る前に、 どのような事情があったのかが問題になる。
女性が男性の離婚を執拗に催促していたのか、2人で同居の準備として新居を借りていたのか、お互いを親族に紹介していたのかなど、 諸々の事情を検討する必要がある。男性の離婚決意に女性の言動が大きく影響していたと判断されるにもかかわらず、 当初から女性に男性と結婚する意思がなかった場合には、女性は男性の意思決定を誤らせた責任があるので、 慰謝料を支払う必要が出てくるだろう。
もっとも、不倫の末の離婚は自分でまいた種なのだから、結果として生じた損失すべてを女性に転嫁するなどできるわけがない。 金額もあまり期待しないほうがいい。


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