夫妻の夫婦の不倫問題、離婚や不倫相手への慰謝料請求、愛人の子供認知など不倫や浮気にの法律問題を紹介。

不倫の法律問題

不倫相手を離婚させるには

不倫相手が「配偶者と離婚する」という約束をしたのに実行してくれない、離婚しろという裁判を起こして、 強制的に離婚させられないか。約束を任意に履行してくれないとき強制的に実現するのが裁判なのだから、 裁判で離婚届にサインさせられないのか。
もっともと言えばもっともなのだが、残念ながらできない相談である。これは民事訴訟の本質に関わる問題で、 結婚や離婚といった法律行為は「身分行為」といって、他人が裁判を通じて強制できる性質のものではなく、 強制執行もできないとされている。
刃物で脅して離婚届を作成させれば、有印私文書偽造罪と公正証書原本不実記載罪。 誰かに離婚を強いることは不可能なのである。

■まずは別居
離婚・再婚を強制することはできないとしても、もし不倫相手と本当に結婚したいのであれば、 まずは配偶者との別居に踏み切るよう説得するところから始めるのがいい。
配偶者と別居し不倫相手と同居を始めている場合、別居期間が長ければ長いほど、調停や裁判の席で、 夫婦関係が破綻しているとして離婚の結論を得ることが容易になる。また、重婚的内縁関係が成立すれば、 出産手当などの健康保険の給付金も支払われる可能性が高くなる。
離婚調停と離婚裁判の両方を経ても通常は2年程度で決着がつくだろうし、また妻への慰謝料も婚姻期間が10年程度であれば、 特別な事情がなければ夫が400万円、不倫相手が200万円の合計600万円が相場だろう。
これは最近の若いカップルの結婚資金と同じ程度の金額だから、2人が新生活を始めるための費用と考えれば、 まあ妥当な金額ではないだろうか。

■法律婚の妻からの婚姻費用の請求
不倫相手の男性が法律婚の妻と別居し、同居生活が始まった。妻は夫に対して、婚姻費用の請求を裁判所に申し立てるだろう。
この際、裁判所で婚姻費用を算定するにあたって、重婚的内縁関係の妻の生活費を考慮して、 夫の法律婚の妻に対する支払額を減額することがあるだろうか。
つまり、夫側に必要な生活費を算定するときに、「単身世帯」と考えるのか、 内縁の妻およびその子供と生活している「家族の世帯」と考えるのか、という問題である。 もし、「家族の世帯」として算定されれば、 家庭裁判所で命じられる法律婚の妻に対する婚姻費用の支払いは減額されることになる。
内縁の妻の生活費を考慮する判例、内縁の妻は考慮しないが内縁の妻との間の子の生活費は考慮する判例、 全く考慮しない判例などさまざまである。 これらの判断には、内縁関係が始まった経緯や、各人の支払い能力などの諸要素が勘案されている。
法律婚の妻との関係が破綻した後に夫が不倫相手と同棲を始めたような場合は、妻からの婚姻費用の請求に対して、 現在の重婚的内縁関係の生活費を考慮した減額がなされる可能性が高い。


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