夫妻の夫婦の不倫問題、離婚や不倫相手への慰謝料請求、愛人の子供認知など不倫や浮気にの法律問題を紹介。

不倫の法律問題

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子供の認知

不倫関係の男女に子供ができた場合、子供は「非嫡出子」となる。 婚姻関係にある父母の間に生れた子を「嫡出子」といい、そうでない子(=婚外子)のことを非嫡出子という。
子供の母親と法律上の婚姻関係にない男性が、子供との間に法律上の父子関係を発生させるためには、 子供を「認知」する必要がある(民法第779条)。 法律上の父子関係が発生すると、扶養の義務や相続権など重要な法律上の関係が発生するので、子供にとって認知は大切な手続だ。

■認知の方法と効果
認知によって、男性と認知された子供との間に法律上の父子関係が生じるが、 その効果は子供の出生のときまでさかのぼる(民法第784条)よって認知後は、 母親から認知した父親に対して養育費の請求が可能となり、出生時にさかのぼって過去の養育費も請求できる。
男性が子供を認知すると、男性の戸籍にはその旨が記載される。 このため、家族に認知をした事実が露見する可能性が高く、それを恐れて認知を躊躇することも多い。
非嫡出子の親権者は母親であり、認知されても自動的に父親が親権者となることはない。 しかし、父母が話合いにより取り決めをした場合、または家庭裁判所に対する請求によって親権者変更を行った場合は、 認知した父親が親権者になることができる(民法第819条第4項、5項、家事審判法第9条第1項乙類第7号)。
認知することについて期間制限はなく、子供が胎児の状態、出生後、成年後でもかまわない。 ただし、胎児のときに認知するためには母親の承諾が必要であり、成年後に認知するためには本人(子供)の承諾が必要となる。
高齢になって生活に困った父親が、ほったらかしにしていた子供をいきなり認知すると、 そのとたんに親子間の扶養義務(民法第877条)が発生するので、生活費や病院の費用を子供にたかることが法律上可能になる。 このようなことを防ぐためである。
認知しようとしていた子供が死亡した後は、子供に直系卑属(孫やひ孫など)があるときに限り認知できる(民法第783条第2項)。 したがって、子供が死亡した後でも、認知によって孫やひ孫に自分の財産を相続させることができる。

■認知の届け
認知は、市区町村の役所への届出によって効力を発生する。また、遺言によって行うこともできる。
生存中は、家族の反対があって認知できなかった場合でも、遺言が効力を生じると、選任された遺言執行者が、 遺言書の謄本を添付して戸籍の届出をすることにより、認知することができる(戸籍法第64条)。
遺言による認知は、相続財産をあてにしていた配偶者や子供など、他の相続人を驚かせ、 相続争いや「親子関係不存在確認の訴え」を起こす可能性が高い。他の相続人が納得するような事情を遺言書に記し、 紛争を起こさないための配慮も必要である。

■強制認知
男性が女性との間に子供をもうけたにもかかわらず任意に認知しないときは、女性が裁判所に訴えることで認知を請求できる。 訴えによってなされる認知を「強制認知」という(民法第787条)。
認知の訴えが認められるためには、女性の側で、子供と相手の男性との間に血縁上の父子関係が存在することを証明しなければならない。 相手がDNA鑑定などに協力しない場合、その証明は一般に容易ではない。
しかし、母が子供の懐胎当時に内縁関係にあった場合には、内縁の夫の子供と事実上推定されるとする判例があるので、 内縁関係にあった事実を証明することで、父子関係の存在をまず推定させ、 男性がこれを覆すための立証活動をするように迫ることができる。
認知の判決が確定すると認知の効果が生じるが、戸籍の届出をする必要がある(戸籍法第63条)。

■非嫡出子に対する差別
嫡出子と非嫡出子とは、父が死亡した場合に取得できる遺産の法定相続分に違いがあり、 非嫡出子は嫡出子の2分の1の相続分しか認められない。
イギリス、フランス、アメリカでもかつては、非嫡出子に対する差別を公然と認める法制度が存在していた。 しかし、これらの国の非嫡出子差別条項は1970年代までに撤廃されている。
非嫡出子は何の罪も犯していないにもかかわらず、 嫡出子と比較して冷遇されるのは憲法第14条に定める「生まれによる差別の禁止」に抵触するという意見が強い。


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