私の知り合いに、子供がプチ家出をしている両親がいます。 その両親にプチ家出のことを聞くと、子供の無断外泊という程度の軽い気持ちを持っています。 (この子供のプチ家出の場合、2〜3日程度のもので、友達の家に泊まるという連絡があるそうです)
なぜ軽い気持ちでいることができるのでしょうか?
期間が短いから? 泊まるという連絡があるから? それとも携帯で連絡がつくから? いずれにしてもこのプチ家出というものを軽く考えてはいけないと思います。
それは、プチ家出をするという行為は、子供からの非常に重要なメッセージの現れなのだからです。
つまり、プチ家出という行為の段階は、本格的に家出をしたり、非行にはしったりする段階への移行期間でもあるのです。 またこの段階では、プチ家出をしている子供を更生させることができる期間でもあるのです。
そのような意味では、子供が今後、望まない悪い人生のレールに進んでいくか、 踏みとどまり良い人生を歩んでいくかの岐路に立っていると言うことができます。
子供が犯罪に手をそめていくには、過程というものがあります。 初めは小さなものから始まり、その刺激になれて更なる刺激を求め、次第にエスカレートしていくのです。 プチ家出というのは、この小さいものの象徴でもあります。
一方、その行為を抑止する観点でも同様のことが言えます。
つまり、手遅れの段階になれば、溝を埋めるために何をしたとしても逆効果になったり、 修復が不可能になってしまうことも多くあります。 しかし、プチ家出のような初期や初動の段階では、まだ更生させるチャンスが多分にあるのです。
さらに言えば、プチ家出をする子供の時間的経過やインパクトは、大人の尺度では測ることができません。
子供が思春期に過ごす1週間は、大人にとっての1年という期間に匹敵することもあり、 また子供がかけがえのないことだと考えていることが、大人にとっては些細なことであったりもするのです。
ぜひプチ家出という子供の行為を軽視するのではなく、 プチ家出=子供=その原因、に真剣に向き合ってほしいと考えています。