家出をする子供が増えていることやその年齢が若年化してきていることは説明したとおりです。 主な原因は、プチ家出のメカニズムでも紹介したとおりなのですが、 それでは、プチ家出しやすいタイプについてみていきたいと思います。
プチ家出をする子供、プチ家出を考えても実際に家出をしない子供、 まったく家出のことを考えたことがない子供、なぜこのような違いがあるのでしょうか?
これは同じような環境におかれて、同じ圧力を受けていたとしても、 それに直面する子供によって受取り方が違うからです。 その受取り方もプチ家出をしやすい性格とそうでない性格をもつものとは異なっています。
家出をしやすい性格について分析しているアメリカの論文などをみると、 次の4つのタイプの子供が家出をしやすい性格であると言えます。
1)自分や世の中を現実的にとらえることができないタイプ
大人への過渡期にある子供は自己の可能性や能力、目的や方向を明らかにしようとして、 他人を見るように一定の距離をおいて客観的に自分を眺めようとし、 世の中のことをできるだけ現実的に正しくとらえようとします。
そして多くの子供は、年齢とともに自分と他者を冷静に見つめることを身につけていきますが、 これができない未成熟な性格の子供は、自分の可能性や能力を誤解して、 実際の可能性や能力以上に振舞おうとして、世の中を甘くみて家出に憧れ、家出することが多いのです。
2)感情が不安定であるタイプ
ちょっとした刺激や事件ですぐ感情的になり、喜怒哀楽をはげしくあらわし動揺してしまう性格です。 この性格の子供は、親が自分のことを考えて注意してくれていると頭ではわかっていても、 カッとなるとどうしようもなく、プイと家出をしてしまったりするのです。
3)良好な人間関係をもてないタイプ
家庭などにおいて家族との関係がうまくいかない、折り合いが悪いというように家出のきっかけの多くは、 人間関係をうまく保てない未成熟さに起因しています。人の身になって考えるという共感性や配慮する気持ちが薄いのです。 相手方に過度の要求をしたり、依存をしたり、甘えたりし、これが満たされないとすぐに家出をしてしまうのです。
4)極端に内向的か外交的であるタイプ
このタイプの未成熟さは性格の極端な偏りにあります。 性格がバランスのとれたものではなく、どちらか一方に傾いたアンバランスな状態にあります。 偏りがひどく極端なものは異常性格と考えられますが、そこまでは達していないのですが、 調和していないという性格の持ち主です。
家出する少年は陰気で神経質であり、他の人と交際することを鬱陶しく思い、孤独を求める内向性の性格が多いのです。 これとは反対に、何かにつけて自分を顕示し、将来のことを考えることなく思いつくままに行動してしまう、 いわゆる外向性が強いのも家出する典型的なタイプだと言えます。