子供がプチ家出をする背景には、広い意味での家族の解体現象があると言われています。
言うまでもないのですが、家族は性と愛情、養育、教育、保護、休息、娯楽などの機能をもつ場です。 この機能が円滑に行われているかぎり、子供にプチ家出行動はおこりえないものです。
しかし、家庭機能の円滑な遂行が阻害されると、そこに家族解体=家庭の崩壊がおこります。
生活環境などにより、家族をとりまく安定条件や構成要素が欠損し、そのため家族の相互に不調整状態におかれ、 家族性格の目的達成があらゆる面で阻害される状況がしばしば生じます。
安定条件の欠損という意味をもう少し具体的にいいますと、家族生活に関する価値観や態度が家族相互間で一致しなかったり、 家族が各自の地位に割り当てられ期待された役割を課さなかったり、家族生活の物的な資源が欠けていることです。
構成要素の欠損という意味では、よく昔から、父親からは厳しさを、母親からは愛情をバランスよく受けるべきだと言われます。 しかし、現代の社会では、約1/3が離婚する時代であり、子供がバランスよく発達することが欠ける場合が多くあります。
もちろん家庭の解体が、崩壊というはっきりとした形をとらない、いわるゆ潜在化した状況で家庭生活が営まれるときにも、 子供のプチ家出はおこります。特に親の子どもに対する教育態度や養育態度、あるいは家庭の雰囲気などによっても発生します。
このように現代社会においては、家庭が崩壊している、 もしくは崩壊しつつあるという背景がプチ家出のバックグラウンドにあることも理解しておく必要があります。
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