Q.
先日、私の自宅に、私の卒業した高校の同窓会名簿を作りたいので協力してください、という内容の往復ハガキが来ていました。
そこで、返信用ハガキに私の現住所・職業・卒業年度などを記載して返事を出しました。
ところが、その後、「同窓会名簿を購入しますね。」という確認の電話がかかってきました。
私は、同窓会名簿に掲載することは承知していますが、名簿を購入するつもりはないので断ると、
先方は「返信用ハガキを出したということは、名簿を購入するということだ。
返信用ハガキにも、きちんと明記されている。」と言いました。
その後もしつこく電話がかかってきます。どうすればいいでしょうか。
A.
このケースは「名簿商法」、「人名録商法」と呼ばれるものです。
被害者の出身校とは本当は関係のない団体なのに、名簿作成を装って、
返事を出させ、返事を出した人に対して、名簿を売りつけるという手口です。
このような場合、被害者には、名簿を購入する意思がなかったのですから、
たとえ返信用ハガキに名簿を購入すると記載されていたとしても、民法上は、錯誤(思い違い)で無効となります。
また、特定商取引法では、電話による勧誘販売は規制されており、虚偽の事実を告げたりすることは禁じられています。
また、特定商取引法により、断る旨の意思表示をした人に対する再度の勧誘は禁止されています。
よって、きっぱりと断るとともに、「再度、電話勧誘したら、経済産業省消費者相談室や消費生活センターに通報し、
特定商取引法違反で取り締まってもらう」ことを言って、これ以上の勧誘活動をさせないようにしましょう。
なお、知らない人から、郵便や電話をもらった場合には、返事をしないで放っておくか、または、よく注意をして返事をすることです。
返事をしたことによって、詐欺的な商法に巻き込まれる可能性があるからです。知らない相手から電話や郵便をもらった場合でも、
繰り返し返事をしなくても失礼に当たりません。
また、「あなたは悪質な業者の名簿に掲載されています。当社は悪質商法と戦う団体です。
あなたは過去に紳士録に登録してあげるという紳士録商法で騙されたことがありますね。」と言って、
お金を騙し取るケースもあります。
これは「名簿商法」の変型で、「名簿抹消商法」というケースです。悪質な業者の名簿から抹消するために、
安易にお金を支払ってしまうと、
いわゆる「カモリスト」(安易にお金を支払ってくれる人の名簿)にのってしまうことにもなりかねません。
このような場合には、毅然として、支払いを拒絶することが大切です。
消費者契約法では、虚偽の事実を告げて契約を締結させた場合には、その契約を取り消すことができますので、
代金全額を返還するように請求することができます。