Q.
私は、知人から「霊能者がいるので、ぜひ会ってもらいたい。」と言われ、霊場と称する場所へ連れて行かれました。
そこで、霊能者という人から「先祖の霊が苦しんでいる。あなたの家族の病気もそのせいだ。」などと言われて、
多数の信者に取り囲まれ、延々と説法をされました。その上で、「幸福になる壺を100万円で買いなさい。」と言われ、
あまりに高いので、私は帰ろうとしたのですが、多数の信者に取り囲まれて、帰ることもできませんでした。
結局、1時間以上説法をされて、100万円もする壺を買わされてしまいました。
どう考えてもおかしいと思うのですが、どう対処したらいいでしょうか。
A.
このケースは「霊感商法」です。「先祖の霊が苦しんでいる。」とか「水子の霊をなぐさめないといけない。」とか、
不安を煽って、仏像、壺、印鑑、多宝塔、いわくありげな容器に入った水などを売りつける商法です。
販売目的を隠して連れて行くのを、「アポイントメント・セールス」といい、特定商取引法の適用があります。
クーリング・オフできる旨などを記載した書面(法定書面)を受領した日から8日間は、書面でクーリング・オフできます。
法定書面を受領していない場合には、いつでもクーリング・オフできます。
また、多数の信者に取り囲まれて、帰ろうと意思表示したのに、帰れなかったような場合には、消費者契約法の適用により、
取り消すことができます。(消費者取消権)
また、「先祖の霊が苦しんでいる。」などと言って不安を煽り、購入せざるを得ないような状況に追い込んだ場合には、
契約は公序良俗に違反して、無効と考えられます。
したがって、いずれの場合にも、代金全額を返還請求できますし、お金を支払っていない場合には、
代金を支払う必要はありません。
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