クーリング・オフできる取引
クーリング・オフ制度がある取引は、別表のとおりです。このとき注意しなければならないことは、
連鎖販売取引(マルチ商法)と業務提供誘引販売以外はいずれも「指定制度」をとっているので、
指定された取引でないとクーリング・オフの適用がないことです。
たとえば、訪問販売のときには55品目の指定商品・17種の役務(サービス)・3つの会員権のいずれかの取引でなければ、
クーリング・オフの適用はないわけです。
つぎに、クーリング・オフ期間が過ぎていないかをチェックすることが大切です。
訪問販売の場合には、
法律で契約書に記載しなければならない事項すべての記載がある契約書面(法定の契約書面またはその控え)
の交付を受けた日から(初日参入)8日目までと定められています。
したがって、全く契約書面を受け取っていないとか、商品名や代金、
業者の住所・氏名、クーリング・オフ制度の告知(説明)などの記入がない契約書しか渡されていないというときには、
取引の日から8日を過ぎていても、クーリング・オフをすることができます。このようなケースでは、
解釈上ではいつまでもクーリング・オフすることが可能と考えられますが、購入した商品を長期間にわたり使用しているケースでは、
「権利の濫用」として認められないこともあると思われます。
また以前は、現金取引の場合はクーリング・オフをすることができないと解されていましたが、昭和63年5月の訪問販売法改正により、
3,000円以上の現金取引はクーリング・オフできることとなりました。
ただし、クーリング・オフをしても、業者が支払済みの代金をすぐに返してくるとは限りませんので、訪問販売などの場合に被害にあわない、
あるいは被害を最小限にとどめるためには、その場で支払いをしないほうがベターといえます。
また、特定商取引法では、化粧品・健康食品・壁紙・履物・産制具・衛生用品などを消耗品として指定し、これらについては、
たとえクーリング・オフ期間内であっても、消費者が使用した場合には、
その通常小売される場合の最小小売単位についてはクーリング・オフをすることができなくなるとしています。
サービス取引の場合には、サービスの提供がされていても、クーリング・オフ期間が経過していなければ、
クーリング・オフをすることができます。
クーリング・オフできない取引
次にあげる場合には、クーリング・オフができませんので、充分に注意をして下さい。
(1)自分の意思で店舗に出向いての契約(ただし、特定継続的役務提供を除く)
(2)営業を目的とした契約(ただし、マルチ商法は除く)
(3)申込み及び契約の意思を持って事業者に来宅や電話をかけることを、
こちらから要請したとき(訪問販売や電話勧誘販売に当たらない)(ただし、特定継続的役務提供を除く)
(4)特定商取引に関する法律で使用・消費した場合はクーリング・オフできなくなると定められている消耗品を、
自分の意思で使用・消耗したとき(ただし、契約書面にその旨が記載されている場合に限る)
(5)特定商取引に関する法律で指定されていない商品・会員権などの購入契約やサービスの提供をうける契約
(ただし、マルチ商法、内職・モニター商法は除く)
(6)乗用自動車
(7)通信販売
(8)3,000円未満の現金一括取引