離婚の原因や慰謝料の法律問題、離婚後の子供姓や戸籍、協議離婚 調停離婚 離婚裁判、離婚届けの手続き。

離婚の法律問題と手続き

婚姻を継続し難い重大な事由2

「不貞行為」「悪意の遺棄」「強度の精神病」「3年以上の生死不明」の離婚原因にあてはまらない場合は、 「婚姻を継続し難い重大な事由がある」という理由で離婚が認められることがあります。
具体的には、暴力をふるう、パチンコに夢中でまったく働かない、浪費癖が治らない、 性的異常、宗教活動にのめりこむ、といったことが挙げられます。
いずれの場合も離婚の理由とするには「どの程度か」が問題になり、離婚できるかできないかはケースバイケースで判断されます。 たとえば自分と違う宗教を信仰しているからといって、ただちに離婚できるわけではありません。 布教活動に夢中でまったく働かないなど、その程度が度を越していて、夫婦の関係がすっかり壊れてしまったような場合であれば、 離婚が認められることがあるということです。

具体的に「婚姻を継続し難い重大な事由がある」として離婚が認められるかどうか、さまざまなケースを考えてみます。

(8)性交渉を拒否される
性交渉の有無は夫婦にとって重要な問題とされますが、 二、三回性交渉を拒否されたからといってすぐに離婚というわけにはいきません。
性的不能を隠して結婚した場合や、これといった理由もなく長い間性交渉を拒否し続け、 結果として夫婦関係が破綻したような場合は、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるとして離婚が認められます。 ただし、いつ性的不能になったのか、どうしてなったのかも考慮されます。 病気や高齢のため性交渉ができなくなったなど明らかな原因がある場合には、離婚が認められません。

(9)性の不一致
どのような状態が性の不一致であるかは難しい問題です。配偶者の性的嗜好が異常、性欲が強くて異常に耐えられないなど、 意思に反して異常な性的関係を強要され続けるような場合には、離婚が認められることもあります。

(10)配偶者が同性愛者
同性愛者であること自体は責任を問われる問題ではありません。 ただし同性愛者であることを隠して結婚したため、配偶者が事実を知って精神的なダメージを受け、 夫婦関係が破綻してしまったような場合は、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるとして離婚が認められることがあります。
また配偶者に同性の不倫相手がいる場合は、「不貞行為」を理由に離婚を請求することができます。 この場合は、配偶者と不貞の相手に慰謝料を請求することが可能です。

(11)ギャンブルにのめりこむ
家族がいるにもかかわらず、給料のほとんどをパチンコなどのギャンブルにつぎ込む生活が続き、 妻に生活費を渡さないような場合は、夫婦の扶助義務違反にあたり「悪意の遺棄」、 または「婚姻を継続し難い重大な事由」で離婚が認められることがあります。
ただし一時期パチンコにのめりこんだものの、今は改心し生活の改善に向けて努力しているのであれば、 離婚が認められないこともあります。

(12)浪費がひどく、多額の借金がある
競馬やパチンコにつぎ込む、ブランド品を買いあさるなどの理由で借金をつくり、 そのことが原因で夫婦関係が破綻した場合は「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるとして離婚が認められることもあります。
ただしまじめに働けば返済ができる程度の借金であり、結婚生活を続けていても問題がないと判断されたら、 離婚が認められないこともあります。
なお、ギャンブルや浪費のために配偶者が勝手につくった借金は、保証人になっていない限り、 夫婦であっても配偶者に返済の義務はありません。 ただし家賃や食費、医療費など日常生活を送るのに必要なもののためにできた借金は、 夫婦が共同で支払いをする義務があります。
また借金の保証人になっている場合は、離婚をしても支払い義務はなくなりません。

(13)夫が働かない
妻は小さな子どもを抱えて働けないにもかかわらず、健康な夫が働かず、仕事を探す努力もしない、 仕事が長続きせずパチンコ通いばかりで生活費を渡さないといった場合は、夫婦の扶助義務に違反することになり、 「悪意の遺棄」あるいは「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるとして離婚が認められることがあります。
ただし夫婦で協力し努力すれば、円満な夫婦生活を取り戻せると判断されたら、離婚が認められない場合もあります。


戻る次へ

Copyright©離婚の法律問題と手続き All Rights Reserved.