■立命館大前納金訴訟 授業料返還命じる判決
立命館大学(京都市)に合格したが、入学を辞退した元受験生13人が入学金や授業料など前納金総額約860万円の返還を求めた訴訟で、
大阪地裁は1日、消費者契約法施行(01年4月)後の02年度に受験した10人のうち、4人について授業料のみの計約225万円を支払うよう命じた。
村岡寛裁判長は、4人について「定員割れのリスクは大学側が負うべきだ」として前納金を返還しない特約を無効と認定した。
しかし、4月以降の辞退者については「既に前期授業が開始されており、入学者を補てんできない」として特約を有効と判断し、
授業料返還請求を棄却したが、後期授業料も納めた1人に対しては後期分だけの返還を命じた。入学金については、いずれも退けた。
判決を受けたのは、94年度〜00年度の受験生3人と02年度受験生10人。判決によると、10人全員が入学金25万〜30万円を納付し、
このうち6人が授業料約40万〜120万円を納入していた。(毎日新聞)
■塾側に授業料返還命じる 「解約制限は無効」と地裁
大学医学部専門の進学塾「アムス」(東京都)の元受講生が、解約した冬期講習の授業料などを返還するよう、
塾経営会社に求めた訴訟の判決で、東京地裁は10日、請求通り約86万円の支払いを命じた。
「契約の解除はできない」とする受講契約の特約が有効かどうかが主な争点。
斉木教朗裁判官は判決理由で「申込者の解除を一切許さず、受講料を全額没収するような特約は消費者の利益を一方的に害する」と指摘。
損害を超える違約金の請求を禁じた消費者契約法を適用し、特約を無効と判断した。
判決によると、元受講生は昨年9月に冬期講習などの受講契約を結んだが、10月に解約を通知。
アムス側は「代金振り込み後の解約を一切許さない」とする特約を理由に授業料などを返さなかった。(共同通信)
■「敷引き」全額返還せよ 消費者契約法を初適用
マンション明け渡しの際、損傷の有無にかかわらず敷金(保証金)の一部を差し引く関西地方の「敷引き」の特約は無効だとして、
東京都の男性が京都市の不動産会社に30万円の返還を求めた訴訟で、大阪簡裁は17日までに、同社に全額返還を命じる判決を言い渡した。
判決は、2001年4月施行の消費者契約法(消契法)を敷引き特約に適用。
原司裁判官は「(消契法が定める)消費者の利益を一方的に害する条項に当たる」と述べ、敷引き特約を無効と判断した。
大阪の弁護士らでつくる「敷金問題研究会」の松丸正弁護士は「敷金返還を求めた訴訟で、消契法が適用されたのは初めてだ。
同種の訴訟への影響は大きい」と評価している。
判決によると、男性は昨年10月、大阪市の賃貸マンションに入居する契約を被告会社と交わし、敷金40万円を支払った。
男性は今年4月下旬、転勤のため引き払ったが、敷引き特約に基づき敷引き分の30万円を差し引かれた。(共同通信)