悪徳商法(マルチ商法、デート商法、資格催眠内職商法)対策に有効な消費者契約法やクーリングオフについて解説しています。

消費者契約法による悪徳商法対策

消費者契約法

第一章 総則
(目的)

第一条 この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、 事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに、 事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とすることにより、 消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く)をいう。

2 この法律において「事業者」とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。

3 この法律において「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。

(事業者及び消費者の努力)

第三条 事業者は、消費者契約の条項を定めるに当たっては、 消費者の権利義務その他の消費者契約の内容が消費者にとって明確かつ平易なものになるよう配慮するとともに、 消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、消費者の理解を深めるために、 消費者の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない。

2 消費者は、消費者契約を締結するに際しては、事業者から提供された情報を活用し、 消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について理解するよう努めるものとする。


第二章 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し
(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)

第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、 当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、 それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

 一 重要事項について事実と異なることを告げること。当該告げられた内容が事実であるとの誤認

 二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、 将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認

2 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、 当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、 当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る) を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、 それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。 ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。

3 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、 当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、 それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

 一 当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、 それらの場所から退去しないこと。

 二 当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、 その場所から当該消費者を退去させないこと。

4 第一項第一号及び第二項の「重要事項」とは、 消費者契約に係る次に掲げる事項であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいう。

 一 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容

 二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件

5 第一項から第三項までの規定による消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、 これをもって善意の第三者に対抗することができない。

(媒介の委託を受けた第三者及び代理人)

第五条 前条の規定は、事業者が第三者に対し、 当該事業者と消費者との間における消費者契約の締結について媒介をすることの委託(以下この項において単に「委託」という)をし、 当該委託を受けた第三者(その第三者から委託を受けた者(二以上の段階にわたる委託を受けた者を含む)を含む。 次項において「受託者等」という)が消費者に対して同条第一項から第三項までに規定する行為をした場合について準用する。 この場合において、同条第二項ただし書中「当該事業者」とあるのは、「当該事業者又は次条第一項に規定する受託者等」と読み替えるものとする。

2 消費者契約の締結に係る消費者の代理人、事業者の代理人及び受託者等の代理人は、 前条第一項から第三項まで(前項において準用する場合を含む。次条及び第七条において同じ)の規定の適用については、 それぞれ消費者、事業者及び受託者等とみなす。

 (解釈規定)

第六条 第四条第一項から第三項までの規定は、これらの項に規定する消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示に対する民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十六条の規定の適用を妨げるものと解してはならない。

(取消権の行使期間等)

第七条 第四条第一項から第三項までの規定による取消権は、追認をすることができる時から六箇月間行わないときは、 時効によって消滅する。当該消費者契約の締結の時から五年を経過したときも、同様とする。

2 商法(明治三十二年法律第四十八号)第百九十一条及び第二百八十条ノ十二の規定(これらの規定を他の法律において準用する場合を含む)は、 第四条第一項から第三項までの規定による消費者契約としての株式又は新株の引受けの取消しについて準用する。 この場合において、同法第百九十一条中「錯誤若ハ株式申込証ノ要件ノ欠缺ヲ理由トシテ其ノ引受ノ無効ヲ主張シ又ハ詐欺若ハ強迫ヲ理由トシテ」とあり、 及び同法第二百八十条ノ十二中「錯誤若ハ株式申込証若ハ新株引受権証書ノ要件ノ欠缺ヲ理由トシテ其ノ引受ノ無効ヲ主張シ又ハ詐欺若ハ強迫ヲ理由トシテ」とあるのは、 「消費者契約法第四条第一項乃至第三項(同法第五条第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ因リ」と読み替えるものとする。


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