これまでに個人でできる対策法について考えてきましたが、 ここでは、そもそもどうすれば痴漢の犯罪を減少させることができるのか、 という少し大きな問題について提言してみたいと思います。
あくまでも私案になりますので、専門家の方からは「そんなの無理だ!」と指摘を受けるかも知れませんが、 痴漢の犯罪被害が減らない現状を考えれば、もっと抜本的な取組みが必要なのではないかと考えています。
もちろん防止策を考える上で、実現可能性という要素も考慮しておく必要があるのですが、 以下の取組みは十分実効性があるものと考えています。
(1)女性専用ゾーンの設置 これは女性専用車両ではなくて、すべての車両に女性専用ゾーンを設置するというものです。 イメージ的には車両の端側を女性専用スペースとします。シルバーシートと似たような発想です。 |
女性専用ゾーンがスタート?
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確かに女性専用車両のように車両毎に区切っているわけではないため、物理的には接点が生まれることになります。 しかし、現状においては、通常の車両では四方向を男性に囲まれていますが、 この施策を実施することにより一方向だけを注意すればいいことになります。
さらに言えば、女性専用車両について、男性から不公平感があるという反対意見にも汲みとりつつ、 また女性専用車両まで移動するのが面倒であるという女性側の意見までも加味したものとなっています。
(2)被害者ボックスの設置
現状の痴漢被害対策において、一番何が欠如していて、何か問題であるかといえば、 被害の実態を正確に把握することができていない点にあると考えています。 実際、被害にあった総数、被害届けが提出された件数、警察に検挙された件数の3つには大幅に返りがあることを見れば明白です。
この被害者ボックスが何かと言いますと、乗り換え駅のような駅に痴漢被害者からの声を投稿できる専用の箱を設置するのです。
このボックス設置の狙いは、被害の実態を限りなく正確に把握することと、 どこの路線の何時何分の電車の何両目にどんな容姿の痴漢犯罪者がいるのかという意見を集約するものです。
利用者がボックスに投函するのが面倒であるというならば、携帯メールでの情報提供でもいいかも知れません。 また、各交通機関とタイアップし、情報提供者の中から、 ドドーンと1年間のJRフリーパスをつけてあげるぐらいはしてあげたいものです。