STOP! 痴漢えん罪
私たちは痴漢などしていません!
無実の者を犯罪者とする日本の警察、検察、裁判所を変えるために、どうかみなさんの力を貸してください!
「痴漢えん罪被害者ネットワーク」結成報告集会アピール
市民のみなさん、私たちは、電車の中などで痴漢に間違われ、
「何もしていない」ということを言いつづけたために、長期の勾留をされた上で裁判にかけられ、
十分な証拠のないまま有罪にされるなど、警察、検察、裁判所によって人権を踏みにじられた者です。
私たちは痴漢など絶対にしていません。無実の者を犯罪者に作り上げるこの日本の警察、検察、裁判所を変えるために、
どうかみなさんの力をかしてください。
私たちは今日この「痴漢えん罪被害者ネットワーク」を13名の当事者によって結成しました。
私たちの中には、無罪となった者、不起訴になった者、裁判中の者、有罪判決を受けた者、
一年近く服役し再審準備中の者、無罪が確定して国家賠償・民事賠償を申し立てている者などさまざまですが、
警察、検察、裁判所など公権力によって憲法で保障された人権を侵害され、
物理的にも経済的にも大きな被害を受けた点では同じ立場に立つものです。
私たちは、短くても3週間から長いケースでは300日にもおよぶ長期の勾留をされました。
どうしてこんなことが許されるのでしょうか。
私たちは、電車の中などで女性に痴漢として訴えられましたが、女性の証言だけしかなく物的な証拠は何もありません。
しかし、警察と検察は、長期の勾留を裁判所に請求し、裁判所も「逃亡の恐れがある」とか「罪証隠滅の恐れがある」として、
証拠を調べることもなく簡単にそれを認めるのです。そして、警察と検察は、「早く白状しろ」、
「どうなるかわかってるんだろうな」などの脅しや、
痴漢を「認めたら出してあげる」と嘘の自白をするようにしているのです。
こうした中、職場を失ったものもいますし、
また、多額の裁判費用を払うために大変な経済的な苦しみを背負って苦しんでいます。
そして裁判では、十分な証拠もないまま、ほとんどの人が有罪とされているのです。
市民のみなさん、これはけっして他人事の事件ではないのです。
混雑した電車のなかで痴漢に間違えられたら、女性が犯人の手を見ていなくても、
痴漢の手を捕まえたわけでなくても、警察・検察によって長期勾留をされ、裁判では有罪とされてしまうのです。
もし、「やっていない」と否認をすれば、
反省の色がないとほとんどが実刑判決にされています。
最高裁発表の資料では、1990年からの10年間に、
全国の簡易裁判所で「私は痴漢をしていない」として裁判にかけられた人が200人以上いましたが、
裁判の結果は全員が有罪とされています。
しかし、痴漢に間違えられている人がいる、痴漢えん罪があるということがマスコミで報道されだした2000年度には、
8件もの無罪判決が出されました。しかし、報道が下火になった2001年度は、年間で3件しか無罪が出されませんでした。
今年はもう無罪の声をきいていません。
私たちは、この統計を見て、裁判所が真実を明らかにするところではないと気がつきました。
マスコミが注目すればまじめな裁判をするが、誰も見ていなければ証拠がなくても有罪にしてしまうのです。
私たちは、無実の者を犯罪者として作り出す、警察、検察、裁判所を、絶対に許すことができません。
無実の者が日々犯罪者とされていっているこの日本の国の司法を、どうしても変えなければならなりません。
私たちは、自分たち自身の無実証明し、この日本の司法のあり方を変えていくために、小さな力ですが全力を尽くしていきます。
無実の者がこれ以上犯罪者とされないために、私たちのこのとりくみへ力を貸していただけるよう心からお願いをいたします。
2002年7月15日 痴漢えん罪被害者ネットワーク結成総会 |