所有権の境であれ、地番の境であれ、非常にもめやすくトラブルの種であることは周知のとおりですが、 ではなぜ境界がもめやすいのかを整理しておきます。
1)もともとの公図が不正確
土地の人為的な区画と地番づけは、測量技術が乏しい時代に作成しており、 これが現在の法務局にある公図へとつながっています。
またこの公図などは、課税のために作成されたものでもあるため、 徴税される側の人が自分の土地の面積を過少に申告することが多かったとも言われており、 このことにより、公図と実際の土地が一致していないことが多々あります。
2)境界は目に見えないもの
境界は、直接には目に見せません。よってお互いが勝手なことを主張しあう原因になったり、 また自分の主張の誤りに気づくことなく、自分は正当であると考えたりすることがトラブルの原因にもなっています。
また、逆に直接目に見えないために、目に見えるものを盲信しがちなこともトラブル原因の一つです。 例えば、境界石らしきものがみつかると、それが動いていたとしても、それを絶対視してしまうなどです。
3)土地へのこだわり
土地が高騰化し、かなりの価値をあわらしていることもトラブルの大きな原因です。 譲っても惜しくないような安いものなら、さほどトラブルにはならないのですが、10cmでもかなり大きな資産になります。
このように土地は高額な資産でもあるわけですし、先祖から所有している、というような思い入れもある等の理由により、 問題が複雑化していることもトラブルを助長させる側面でもあるのです。